ブシュロン銀座本店

“From Paris to Tokyo: a cutting-edge and creative journey”「パリから東京へ、革新と創造の旅」。これがフランスと日本のかけ橋として、東京・銀座に誕生した1,000㎡、4階建ての旗艦店のコンセプトです。

日本の四季からインスピレーションを得たイマーシブなファサードから、4フロアそれぞれで展開されるユニークな体験まで、このブティックでは、随所に心躍る自然の要素を感じることができます。それは、1858年の創業以来メゾンが大切にしてきた自然への慈しみや賛美の表現です。自然との強い結びつきには私自身も強い愛着を持っており、新しいブティックの要素の中で最も気に入っている部分です。これは日本とフランス、自然を愛する両国を結びつけるものでもあるのです。

この感動的な体験を日本のお客様に味わっていただけることを心待ちにしています。

2023年9月8日

エレーヌ・プリ=デュケン(ブシュロン CEO)

自然のリズムに身をゆだねる没入型体験

東京の中心地に息づくパリの庭園。自然の要素を随所にちりばめたこのブティックでは、自然をテーマとした創造と革新に満ちた旅を追体験することができます。

自然への想いを表現するため、ファサードには、ヴァンドーム広場26番地の本店の「Jardin d‘Hiver(冬の庭園)」の建築様式を取り入れました。昼間は透明のファサードから、銀座本店の4つのフロアを見通すことができます。夜になると建物の全てのファサードに現れるのは、本物よりも本物らしい自然の森。四季や時間帯に合わせて刻一刻と変化します。

自然の風景はファサードだけにとどまらず、ブティックの内側でも。ブシュロンの森に開かれた窓のように、店内のスクリーンに映し出されます。このアニメーションはブティック内のスクリーンにも流れています。作曲家でありプロデューサー、そしてサウンドアーティストのDaniel Sonabend(ダニエル・ソナベンド)とのコラボレーションにより、イマーシブな体験を完成させるサウンドも取り入れました。

ブシュロンのアイコンジュエリーとの出会い

1階でお客様を出迎えるのは、ブシュロンのアイコンジュエリーたち。自然が息づく、キャトル、セルパンボエム、ジャック ドゥ ブシュロン、ナチュール トリオンファント、アニマルコレクションがディスプレイされます。創業者フレデリック・ブシュロンがたびたびデザインに取り入れたアイビー(蔦)柄が特徴的なモザイクのフロアは、フランス人アーティストのGaspard Mahieu(ガスパール・マイユ)のアトリエが手掛けました。自然の植物を生き生きと描いたフロアは、6人の職人たちの細かな手作業によって完成しました。

シルクの壁紙はDe Gournay(ドゥ グルネイ)にオーダーメイドしたもので、生命を吹き込まれたようなアイビーが描かれています。壁を覆うカラーグラデーションのミラーは、オランダ人デザイナーのSabine Marcelis(サビーヌ・マルセリス)によるものです。

照明は1895年に創業されたフランスのファミリーメゾン、Delisle(ドリル)社が製作しました。ブシュロン銀座本店のためにオーダーメイドでつくられたシャンデリアは、パリ・ヴァンドーム本店の荘厳なシャンデリアを思わせます。

そして、1階奥に視線を集めるショーケースはフランスのアトリエ、Pouenat (プエナ)が手掛けたものです。金箔で覆われた異なる質感の真鍮を寄木細工のように組み合わせた放射状のデザインはアート作品そのもの。

時を超える旅

銀座本店の1階はまた、メゾンに受け継がれるヘリテイジを感じることができる空間です。ブシュロンが敬愛する自然を鮮やかに写実的に表現した4点のアーカイブ作品が展示されます。

パリ万国博覧会の展示ケースからインスピレーションを得たショーケースもまた、メゾンの歴史やヘリテージに敬意を示すものです。この博覧会は、フレデリック・ブシュロンの名を一躍世界に知らしめるきっかけとなった、1889年の万国博覧会で、彼はグランプリを受賞しました。その受賞作品の中には、10年前に考案され、ハイジュエリーの在り方を変えた「クエスチョンマークネックレス」も含まれていました。留め具の代わりにスプリング(バネ)を内蔵させた初めてのネックレスは、ハイジュエリーのトップに君臨し、ブシュロンのサヴォワール フェールと革新性を体現するものです。

過去と現在、フランスと日本の文化の真の架け橋となるこれらの展示ケースの内部は、日本の造形作家、中島みゆきによる装飾です。

メゾンのアイコンキャット、ウラジミールの遊び場

各フロアをつなぐ階段の壁面には植物が生い茂り、自然への没入感をいっそう高めます。上の階へと継続する景色のようにデザインされた庭園は、想像上のものでありながら、リアルな風景に加え光や音によってもブシュロンの自然を体験することを可能にします。またここは、メゾンのアイコニックな黒猫ウラジミールの遊び場でもあります。

おもてなしの空間

2階では、メゾンの幅広いコレクションを見ること、試着することができます。このフロアは、ヴァンドーム広場本店内の一角にある「ジャルダン ディヴェール(冬の庭園)」のプライベートな雰囲気を再解釈し、豊かな自然環境の中に居心地の良いVIPスペースを設置しました。ランドスケープデザインを専門とする日本のスタジオ、TOHO LEO(東邦レオ)によるバックライトで照らされた壁と天井は、自然光のような柔らかな光を拡散させ、植物が生い茂る本物のガラス窓のような錯覚を生み出します。

日本の伝統に則って愛を誓う

3階はブライダルのフロア。優美な曲線を描くフロアには、エンゲージメントリングやウェディングリングなどが置かれています。フロアに配された白樺のようなオブジェは、願いや誓いを神社仏閣の神聖な木に結ぶという日本独自の風習からインスピレーションを受けたもので、日本人アーティスト集団によるデザインスタジオYOY(ヨイ)が手掛けました。白樺をイメージした彫刻の透明な幹や枝の表面を、ウェディングドレスを想わせるレース素材で覆う繊細な細工が施されています。

日本に伝わるセレモニーへのオマージュとして、ブシュロンはインタラクティブな体験“The Wishing Tree(願いの木)”をRandom Studio(ランダム スタジオ)と開発しました。ウエディングのためのこの森で、カップルは想いや願いを記すことができます。記された内容はその場で音と光に変換され、特別な体験、そしてセレモニーとなります。

革新は夢の実現のために

ブシュロン銀座本店の旅の締めくくりとして、ブシュロンは最も革新的な素材を使った作品を最上階である4階に展示することにしました。それが「イノベーションラボ」です。このスペースでは、感情を揺さぶることや夢を叶えることをクリエイティブ制作の中心に据えた革新的な作品に焦点を当てています。伝統的なハイジュエリーの分野で、価値あるものの意味を問い続け、限界に挑戦し続けること。

ブシュロンでは長年にわたり、独創的で自由なジュエリー制作を行ってきました。例えば、美しさや貴重さの意味を問い直し、これまでとは違う方法でのアプローチを試みます。私のクリエイションは常に夢からスタートします。その後、その夢を実現するために適した方法を見つけるプロセスに魅了されます。つまり、その創造的な夢を表現し現実のものにすることができるのであれば、ハイジュエリーでかつて使われたことのない新たな素材やテクノロジーにチャレンジする自由が与えられているのです。

クリエイティブディレクター、クレール・ショワンヌ

「イノベーションラボ」では、メゾンを代表する最も革新的な4つの作品が展示されています。作品のひとつひとつについて、制作工程や使用された技術、革新的な素材のサンプルを見ることができます。

新たな旅を祝って

ブシュロン銀座本店の移転リニューアルオープンを記念して、2つの作品を先行販売いたします。「キャトル ダブル ホワイト」の新作ペンダントは、1階のアイコンジュエリーのスペースに。「ファジー」から誕生した初めてのホワイトゴールド製ペンダントは、2階のブシュロンのアニマル コレクション脇に展示されます。 

梱包しないという新しい選択肢 "no pack is the new pack"

2023年、ブシュロンは従来のジュエリーケースの仕様を全面的に見直し、アルミニウムとウールフェルトの2種類の素材だけを使用したケースが誕生しました。宝飾業界の慣習に疑問を投げかけ、新しいケースのあり方を追求した結果生まれた7種類のケースは、ブシュロンの新たな歴史の1ページとして刻まれることになりました。2023年、ヴァンドーム広場26番地に登場した新しいケースは、9月にオープンした銀座本店にも登場します。